2008年11月9日日曜日

「オバマの戦い」の始まり

 誰の責任といえない全人類的な行動の集積として生成された「行き詰まり」のイメージが20世紀の終わりから21世紀の初めにかけて世界に蔓延しその閉塞感は人間本来の自由な意思に対して抑圧と空虚と見通しの利かない不安を与え続けてきたのである。その中心的な役割を果たしてきたのは世界(なかんずく覇権を握ってきた国々)のリーダーシップを執ってきた為政者たちであった。 その言葉の力はアメリカ全土に響き人々を納得させ大きな期待を寄せているのであるが、理想の言葉を実現できてその正義は証明されるのである。合衆国としてのアメリカの抱える問題は世界の抱える問題を凝縮した形でもあり人種や宗教の問題を超克してどう融和できるか、そのロマン溢れる理想をぜひとも達成して頂きたいところだ。 世界同時株安から世界恐慌と言える金融危機・経済的な危機を招いた責任は誰にあるのだろうか。個人・国家の区別なく「金儲け」肯定論者たちのなりふりかまわぬ錬金術により犠牲となったのは誰だったのか。この歴史の刻印を忘れてはならない。 「利害の調整機関としての政治」に平等観・公平観、平和観、人間観、特に精神的な中立性(選択された理性)によって世界をどう牽引していくのか。次期大統領の手腕に期待したい。かのリンカーンのごとき理想やかの哲人のような理想を現実に変革できるのは強靭な意志と死を賭してさえ民主主義・平和・平等のために戦うこころである。

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